【鶴岡八幡宮について】
鶴岡八幡宮は、初詣には多くの人が集まる関東でも有数の歴史ある大きな神社です。
山を背に本宮楼門や舞殿が整然と並び、平成の大修理で真新しくなったものが少し落ち着いてきた時期で、荘厳な景観になっています。
広い敷地には、本宮以外にもいくつかの神社や鎌倉国宝館、神奈川県立近代美術館などがあり、ゆっくり回ればここだけでも多くの時間を過ごせます。
鎌倉駅から徒歩圏内にあり、駅から若宮大路に出るとすぐ二ノ鳥居、いにしえの歴史を思いながら段葛を歩いていくと鶴岡八幡宮の入口、三ノ鳥居に出ます。
鳥居の先には太鼓橋があり、その左右には源平池、参道の正面には舞殿の名で親しまれている下拝殿、その奥の大石段の先には本宮の楼門が見えます。
参拝した後は観光客で賑わう商店街の小町通り周辺を散策しながら休憩などして鎌倉駅に向かっても良いでしょう。
また多少距離はありますが、鎌倉駅とは反対に北鎌倉の建長寺などに向かって鎌倉街道を歩くこともできますし、宝戒寺など鎌倉周辺の寺を散歩がてら巡ることもできます。
【沿革・歴史】
1063年、源頼義が前九年の役で奥州征伐の帰路、京都の石清水八幡宮を由比郷鶴岡(現・材木座)に勧請し由比若宮を創建しました。
1180年、源頼朝が平家討伐と天下統一を祈るためひそかに遥拝し、その1週間後には小林郷にある現在地に遷座し、鶴岡八幡新宮若宮と称したのが起源で、源氏の守護神として崇拝しました。
1182年には海岸から社頭へ続く若宮大路を造営し、その中央には段葛を造りました。
1191年の大火で社殿は消失しましたが、大臣山の中腹に源頼朝が再建、鎌倉幕府の中心地となりました。
当初は簡素な若宮だけでしたが、しだいに形を整え、神仏混淆の八幡宮寺となりました。
1624年、江戸幕府3代将軍徳川家光が若宮を、1828年、11代将軍家斉が本宮を再建し、1868年の神仏分離令により仏教関係の建造物は取り壊されました。
頼朝の時代からあった大イチョウは近年まで樹齢1000年を超えて残っていましたが平成の台風で倒壊してしまいました。
今はそのひこばえと接ぎ木が少しずつ育っています。
【見どころ・撮影ポイント】
「本宮(上宮)」重要文化財
本宮は清和源氏の氏祖神、八幡大菩薩(応神天皇)を祭神とする社で、1828年江戸幕府11代将軍徳川家斉が再建した、典型的神社建築の流権現造となっています。
正面に見える建物は本宮の楼門で、額の八幡宮の八の字はお使いの鳩がデザインされています。
楼門先の本宮は撮影禁止ですのでカメラをしまって、混雑していても静かな心で参拝したいものです。
「若宮(下宮)」重要文化財
仁徳天皇、履中天皇を祭神とする流権現造の社。
源頼朝が最初に現在地に遷宮し、現在の社は江戸幕府2代将軍徳川秀忠が再建を命じ、3代家光が1624年に完成させました。
「下拝殿(舞殿)」重要文化財
石段下から本宮の祭神を遥拝する下拝殿は、静御前が源頼朝、政子夫妻の前で舞を舞った若宮回廊跡にあります。
1186年、吉野の山中で捕らえられた源義経の愛妾で白拍子の静御前が、謀反の罪で頼朝に追われていた義経を想った歌で「しずやしず・・」と舞いを披露し、頼朝は激怒、政子がとりなしたといいます。
静御前の生んだ義経の子は男子だったため海に流され、その後の静御前の消息は定かではなく、舞殿は義経と静御前の悲恋を今に伝えています。
「旗上弁財天社」
こちらの弁財天は江の島鎌倉七福神のひとつです。
源氏滅亡後の1221年、承久の乱の際、西国に出陣するため幕府軍がここで旗揚げし戦勝祈願したことからこの名があります。
源氏池の中島のひとつにあり、商売繁昌や財運隆昇を願う多くの旗が奉納されています。
社殿背後には、政子石、姫石とよばれる陰陽一対の祈願石があり、夫婦円満や縁結びの神として信仰されています。
「丸山稲荷社」重要文化財
古くからこの地にある稲荷社で、八幡宮の造営の際、社地を譲ったことから地主神とも呼ばれています。
社殿は1398年の室町時代の建立、一間社造の建物です。
「段葛(だんかずら)」
鎌倉の中央をほぼ南北に貫く若宮大路の中にある二ノ鳥居と三ノ鳥居を結ぶ一段高くなった約500mの参道で、源頼朝が妻政子の安産祈願のため奉納したと伝えられています。
葛石を敷いて一段高くしたため段葛と呼ばれるようになりました。
二ノ鳥居では約5mの道幅が三ノ鳥居では約3mと、八幡宮に近づくほど道幅が狭くなる遠近法を用いた造りになっています。
春はソメイヨシノの桜のトンネルが見事でした。
植え替えで今は若木なのでまだトンネルにはなっていませんが、ソメイヨシノは成長が早いので数年で立派な桜並木になるでしょう。
「太鼓橋」
三ノ鳥居のすぐ先にある急な傾斜の曲線を描く石造りの橋です。
昔は渡れた記憶があるのですが、現在は渡ることはできません。
「源平池」
東の源氏池は源氏の繁栄を祈り産に通じる3つの島が、西の平家池は平家の衰亡を祈願して死に通じる4つの島が以前はあり、政子が配したと伝えられています。
夏には、源氏の白旗、平家の赤旗になぞられた紅白の蓮が、今はそれぞれの場所ではなく混じり合って咲いています。
「神苑ボタン庭園」
鶴岡八幡宮創建800年を記念し造られた約1万㎡の広大な庭園で、1月上旬~2月下旬には寒さを避けるワラ囲いの中で約500株の冬ぼたんが咲き、4月上旬から5月中旬には約2000株の春ボタンが咲きます。
9-17時 不定休 開花期500円(季節で変動)
「斎館」
東鳥居近くにあり、書院造りの有朋亭では抹茶とお菓子1000円、苔庭と枯山水の庭もあります。
「鎌倉国宝館」
関東大震災で多くの文化財が失われたことを契機に、文化財保護もかねて鎌倉市内の寺社から寄託された国宝や重要文化財を一般に展示するため、昭和3年に開館した博物館です。
9:00 ~16:30(last admission at 16:00) 休館:月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替期間、特別整理期間、年末年始等 観覧料:展覧会により料金が異なります。
鎌倉国宝館 公式サイト
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/
【アクセス】
JR・江ノ電鎌倉駅東口 徒歩15分
横浜横須賀道路・朝比奈I.C.から5km
駐車場
普通車40台
9:00~19:30 1時間まで600円
以降30分毎300円
大型バス8台
9:00~17:00 1時間まで2,000円
以降30分毎1,000円
【時間・拝観料】
境内自由
【所在地・お問い合わせ】
〒248-8588
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
TEL 0467-22-0315 FAX 0467-22-4667
鶴岡八幡宮 公式サイト
https://www.hachimangu.or.jp/
【動画】
《 HIDE Photo & Movie Channel 鎌倉 鶴岡八幡宮》
YouTubeチャンネルにも鎌倉 鶴岡八幡宮をUPしています。
お時間のある時にゆっくりとご覧いただければ幸いです。